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歯周病治療Periodontal disease treatment

最近よく言われていますが、歯周病はお口の中だけの問題ではなく、
全身疾患との関連性があります。
歯周病菌は血液中に入り込むと、血管の内壁に付着し血液の流れを悪くするといわれています。
これが様々な病気を悪化させる原因となっています。

関連性が報告されているものとして次のものがあります。

歯周病特に歯周病と関連が深い病気が糖尿病です。
糖尿病の人は、感染に対する抵抗力が弱まっているため歯周病にかかりやすく、重症化しやすいと言われています。さらに、歯周病菌は毒素や炎症性物質を大量に放出するのですが、これがインスリンの効きを悪くさせ、糖尿病を悪化させることも危険視されています。
つまり、糖尿病があると歯周病になりやすく、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいという負の連鎖が起こるのです。

内服薬による歯周治療

「風邪をひいた時のように薬を飲むだけで歯周病を治すことはできないのですか?」という質問をよく受けます。
以前であれば「できません」と断言しておりましたが、現在は違います。

現在のところ、さすがに「歯周病は内服薬だけで治る」とまでは言えないのですが、21世紀になってから「歯周病原因菌に抗菌薬(抗生物質)の内服が有効である」ことがわかってきました。
2004年頃から有効性の報告がなされるようになり、2008年には正規の学会でも有効性を示す講演が行われるまでになりました。
当院では、従来までの歯周病治療と並行して内服薬による治療も行っています。

歯周病治療歯周病細菌に有効で組織移行性の高い抗生物質を服用することによって、消化管から吸収された抗生物質が血流に乗って歯周組織へ運ばれ、軟組織(歯肉)の内部から歯周病菌を攻撃します。
さらに、歯周ポケット内にも抗生物質が浸出します。
この抗生物質はバイオフィルムに浸透し破壊する能力が比較的高いので、バイオフィルム内の歯周病菌も攻撃します。
それに加えて、スケーリング(歯石除去)や 、PMTC(プロが行う歯のクリーニング)を行うことにより、歯周ポケット内の歯石やバイオフィルムを機械的に破壊します。


※ バイオフィルム…細菌同士が集まってお互いがくっつきあいできた強力な塊。台所のぬめりもバイオフィルムの一種です。

抗生物質の働き当院では、内服薬による歯周病治療を導入しています。
しかし、全ての歯周病の患者さんに対して一律に「とにかく抗生物質を飲んでいただければ良い」というわけではありません。
では、どのような場合に通常の歯周治療に内服薬を併用することが効果的なのでしょうか。 現在のところ、以下のようなケースで有効であると考えられています。

  • 重度の慢性歯周炎に対して
  • 侵襲性歯周炎(急速に進行する歯周炎)に対して
  • 難治性の歯周炎に対して
  • 糖尿病などの全身疾患をもつ患者さんの歯周治療に対して
  • インプラント手術や外科的再生療法への併用薬として
  • メインテナンス(SPT)を定期的に行っているにもかかわらず、しばしば再発するケースに対して